八冊目

 私は自分の目の前に広がる部屋を眺める。
 そこにあるのは、たくさんの本棚。そしてそこに並ぶたくさんの本。並んでいるのは小説だけでなく、図鑑や歴史書、楽器の教本のようなものまで、様々な種類が揃っている。
 この、本だらけの部屋こそが、念願だった、私の書斎である。今まで、四十年以上会社で働いてきた。その間には、結婚したり、二人の子供ができたりもした。その子供たちはすでに独り立ちしていて、長男の方には子供もいる。そんな時に私は定年退職を迎えた。私たちは子育てを終え、仕事を終え、やっと自由な時間を手に入れた、と思った。そこで、私たちの最後の時間を有意義に過ごすために、退職金と貯蓄を使って、家を建てたのだった。
 その家の中でも私がこだわったのがこの書斎だった。私は自分の本を眺めながら時間を過ごすのが夢であった。読み返してみたい本があれば、手にとって読んだりもしながら過ごす時間、それが夢だったのだ。本好きの私の夢を、同じく本好きの妻も認めてくれ、今のような書斎が出来上がったのだった。
 そうして、このように本を眺め、妻に本を貸し、自分も本を読む毎日を送れるようになったのだが、ある時、一つの疑問が浮かんできた。
 私はいつからこのような本好きになったのだろうか。
 もともと私は、本というものがあまり好きではなかったはず。では、何故こんなにも本を好きになったのだろうか。大学生のときだろうか。いや、あの時はすでにかなりの本を集めていた。高校生のときだろうか。それも違う。高校入学の段階である程度の本は読んでいたはず。では、中学生の時だろうか。それも違う気がする。
 それならば、小学生のころだっただろうか……。

***


 一学期も最後の日ということで、一年生から六年生までの全生徒が体育館に集められていた。閉め切られてしまい、蒸し暑くなっている体育館では、夏休みの注意とか校長先生の話のような、一、二年生か真面目な女子しか聞かないような話が長々と続けられている。
 ぼくは今年で六回目になるそれを聞きながら、夏休みの予定を頭の中で組み立てていた。
 夏休みになったらプールに行こう。まずはミキオとヒロと一緒に水上公園のプールに行って、ケンとキヨとは少し遠いけど駅の方に新しくできたウォーターパークとか言うのに行こう。あとケンとはカブトを取りに行く約束もしてたんだ。あ、じいちゃんちに行くのはいつだっけ。帰ったらお母さんに聞かないと。あとは……。
 そんなことを考えているうちに、夏休みの注意もはげた校長先生の話も終わっていた。
 教室に戻ると、まだ先生の来ていないのを良いことに、みんなは夏休みの計画について話し合っていた。いつも一緒に遊ぶミキオは海の近くのおばあちゃんの家に行くみたいだし、ヒロもキヨも海に行くみたいだ。とくにキヨの家は海の近くに別荘を持っていてそこに行くらしい。そしてブンメイは? というようにみんながぼくを見る。うちは毎年海に行かない。お母さんもお父さんも海が好きじゃないから。でもみんなが海に行くのに、うちは今年も海に行かないなんて言いたくなかった。ぼくだけ仲間外れになんかされたくなかったんだ。
 ちょうどそんなとき、先生が教室の前のドアを開けながら入ってきた。
「えー、みんな席についてくださいね」
 いつも疲れきっていて、おじいさんのようにしか見えない先生が今日は少し元気そうに見えた。
「えー、明日からは、夏休みになります。あのー、吉本先生の話にもあった通り、えー、安全に気をつけて、生活するように、してくださいね」
 そう言いながらじいさん先生はなにやらプリントを配り始めた。
「えー、そこに書いてあるのが、夏休みの、宿題です。しっかりと、あのー、やってくるように、してくださいね。えー、じゃあ、日直、一学期最後の挨拶をして」
 起立、礼、さようなら、という挨拶が聞こえたときには、プリントはぼくのかばんの中でくしゃくしゃになっていた。
 帰りの会が終わるとぼくたちはまた集まって、帰りながら夏休みの計画を立て始めた。プールに行くこと。カブトを取りに行くこと。祭りに行くこと。盆踊りにも行くこと。楽しいことを考えていると時間がたつのは早いもので、気が付けば分かれ道に到着していた。ぼくはまっすぐで、ヒロとケンは左に曲がる。右に曲がるのはミキオとキヨだ。みんなは曲がってから少し距離がある場所に家があるけど、キヨの家はこの分かれ道のすぐ近くで、五人の家の真ん中くらいの場所にある。だからキヨの家をよく集合場所にしていた。
「じゃあ昼ごはん食べたらうち集合ね。明日カブトとれるように樹液が出てる木を探しに行こう」
 みんなは「じゃあな」と言ってそれぞれの道へ歩いて行った。

「ただいま!」
 そう言いながら家のドアを開ける。するとそこには誰かと電話で話しているお母さんが立っていた。とりあえず、部屋に行ってランドセルを置いてこよう。そう思ってぼくは自分の部屋に向かった。
 荷物を置いて、昼ごはんを食べるために居間に行くとまたお母さんが立っていた。
「ごはんもう出来てる?」
「それよりも、まず見せるものあるでしょ?」
 見せるものっていうのが成績表のことだっていうことはすぐにわかったし、もともとそのつもりだったから、手に持ったそれをお母さんに渡した。
 お母さんはそれを受け取ると、ゆっくりと全部のページを見ていった。
「『よくできました』がこんなにたくさん。すごいがんばったわね」
 ぼくは「まあね」と言いながら椅子に座る。
「で、ごはんは?」
「まだ見せてないものあるでしょ?」
 何のことだろうか。終業式の日に見せるものと言ったら成績表くらいしか思いつかないのだけど……。
「宿題あるんでしょ? 読書感想文の宿題」
 その瞬間、ぼくの頭の中に帰りの会のときのじいさん先生が思い出される。そうだ、宿題があったんだ。
「またあんた、プリントくしゃくしゃにして読んでないでしょ? キヨ君のお母さんに聞いたんだから」
 背中を冷たい汗が流れる。さっきの電話はこのことだったのか……。
「いい? 宿題が終わるまで遊んじゃ駄目だからね?」
 この言葉によって、ぼくの夏休みの計画は崩れ去った。それほどまでに、我が家のお母さんの言葉には力がある。抗議なんてすることは許されていなくて、黙って従うしかないんだ。とくに勉強関係のときは。
 昼ご飯を食べ終えるとすぐにお母さんにお金を渡された。
 これで本を買ってこい、ということだ。だから、ぼくは自転車にまたがって出来るだけ急いで本屋に向かった。少しでも早く宿題を終わらせて、みんなと遊びたい。その一心で。

 家を出てから十分くらいでぼくは本屋についた。その本屋というのは、ぼくが生まれるよりもずっと前からある、ぼろい建物で、じいさん先生よりも年を取ったおじいさんとおばあさんがレジにちょこんと座っている、そんな店だ。そのおじいさんとおばあさんとは知り合いなので、道であったりしたときに話すことはあるけれど、本を買いに行くということは初めてだった。
 家族のみんなも、ケン達も、本屋のおじいさんたちも知っていることだけど、ぼくは読書というものが苦手だった。だから小学校の朝の読書の時間がとても辛かったし、国語の授業も大変だった。今まで本なんて自分から読もうと思ったことは無いし、そもそも何が面白いのかわからない。
 そんなぼくが本を買いに来るんだから、おじいさんたちは驚くだろうな。
 そんなことを考えながら、本屋の隣にぼくは自転車を止めた。そして、本屋の扉を開けて中に入ると、思った通りおじいさんたちの驚いた顔が――あるはずだった。しかしそこにいたのは予想もしていなかった人物で、逆にぼくの方が驚かされてしまった。
 そこには、このぼろい本屋の似合わない綺麗な女の人が座っていた。

 気がついたときには家についていた。手にはお母さんからもらったお金がそのままの金額で握りしめられていた。部屋に戻ってからも息切れはおさまってなかったし、顔も火照ったままだった。
 あのぼろい本屋にいたのは誰なのか。どうしてあんな綺麗な人があんな場所にいるのか。今まであの場所には知り合いのおじいさんとおばあさんがいたはずだ。というよりも、ぼくはあの女の人を見たことがない。ぼくが本屋に行くことがなかったということもあるかもしれないけど、小学生のぼくにもわかるくらい、狭いこの町では、知らない人のほうが少ないのに。ぼくが知らないうちにこの町に来た人なんだろうか……。
 
 日が暮れるころになっても、ぼくの頭からあの女の人が離れることはなかった。
 綺麗な女の人だったな、と自分の部屋の椅子に座りながら考える。もう、あの女の人が誰なのか、ということよりも、どうしてこの町にいるのか、ということよりももう一度会いたいという気持ちのほうが強くなっていた。そのためにはどうしたら良いのか。会いに行くためだけに本屋に行くわけにはいかないし……。
 そんなとき、机の上に置いてあった、お母さんにもらったお金が目に入った。

 再び本屋の隣に自転車を置く。そして迷わず扉を開ける。「いらっしゃいませ」という声のする方を見ると、やっぱり、そこには綺麗な女の人が座っていた。なんて綺麗な人なんだろう。と見惚れそうになる自分を抑え、本屋の文庫本のコーナーへと進んだ。ぼくが選ぶのはできるだけ巻数の多い本だ。理由は簡単。読書感想文を書くため、じゃなくて、ここに来る口実を作るためだ。ぼくが思いついた、本屋の女の人に自然に会う方法、それが本を買うということだった。彼女に会いには行きたい。けれど、ただ会いに行くなんてことはぼくにはできない。だからぼくは本を買うことにしたんだ。
 悩んだ末、ぼくが選んだのは全八巻の本。もっと長いのもあったけど、貯金箱の中身を全部使っても足りなくなってしまう。だからぼくはこの本を選んだ。そして、ぼくはこの本を片手に、出来るだけ冷静を装いながら、レジへと歩いて行った。
 本を女の人に渡すと、当たり前だけど値段を言われた。でもそれがいくらなのかよくわからなくて、ぼくはお札を一枚差し出した。すると女の人は、レジのボタンをいくつか押してお釣りを出して、本と一緒に渡し、そして笑顔で、笑顔で「ありがとうございました」と言ってくれたんだ。
 その時のぼくの頭の中には、ケン達との夏休みの約束なんてものは、これっぽっちも無かった。

 その後、ぼくは七月の後半から、八月の真ん中くらいまで本を読んでは、本屋に行ってを繰り返していた。
 その間にぼくはミキオとヒロと水上公園のプールに行くこともなかったし、ケンとキヨとウォーターパークに行くこともなかったし、ケンとカブトを取りに行くこともなかったし、じいちゃんちにも行かなかった。祭にも行かなかったし、盆踊りにも行かなかった。ぼくがやっていたのは本当に読書と、本屋に行くことだけだった。
 かわりに知ったことがいくつかある。それはあの本屋の女の人の名前が島田涼子だということ、東京の大学に通う学生だということ、本屋のおじいさんたちとは親戚の関係だということ、それもあって夏休みの間だけこっちの方に来てアルバイトとして働いていること、そして、ぼくがいま読んでいる本が好きだということだ。
 この期間で、涼子さんとは本がきっかけで、少しは話をするようになったし、少しずつ、親しくなれている、と思う。
 そんなわけで今日もぼくは本屋に向かっていた。今日買うのは七巻。あんなに読書が苦手なぼくがこんなにたくさんの本を読んでしまうなんて自分でも信じられなかった。
 本屋に着くと、いつも通り自転車を建物の隣に置いてから、本屋の扉を開けた。
「いらっしゃい」
 そう言って迎えてくれる涼子さん。ぼくは顔が赤くなるのを感じながら文庫本のコーナーへと進んでいった。そして、背表紙に七と書いてある巻を手に取り、レジへと進んでいった。
「あ、もうここまで読んだんだ」
「はい。すごい読みやすかったんで……」
 ぼくは財布からお金を取り出して、渡した。
「わかるわかる! テンポが良くて読みやすいからどんどん読んじゃうんだよね」
 と言いながら涼子さんはぼくに本とお釣りを渡してくれた。
「それにしてもブンメイ君って小六でしょ? よく小六でこんな本読めるよね。私が読んだのは、えっと、高校生の時だったかなぁ」
「そうなんですか?」
 読書家のように見える涼子さんでも、この本を始めて読んだのが高校生の時だなんてことが、本当だとは思えなかった。
「そうなんだよ。だからブンメイ君はすごいよ! 感心しちゃう!」
「い、いや、そんなことないですよ……」
 ぼくは頬が熱くなるのを感じてうつむいてしまう。なにやってんだよ。うつむいちゃ涼子さんの顔見れないだろ。とか心の中で自分に向かって言ってみるけど効果はなかった。
 そんな時ガラガラと本屋の扉の開く音が聞こえた。
「おっとお客さんだ。七巻はもっと面白いから、またすぐ読み終わっちゃうと思うよ。読み終わったらまた買いに来てね」
 今日の涼子さんも、いつもと同じで綺麗な笑顔だった。

「文明! 早く来なさい! 夕飯が冷めちゃうでしょ!」
 はっとして時計を見ると、針はもう七時を指している。昼ご飯の後から続きを読み始めたから、六時間も本を読み続けていたことになる。
「ごめん! 今行く!」
 そう言ってぼくは急いで部屋を出たぼくを待っていたのは、仁王立ちをしてぼくを待っているお母さんだった。もちろん食卓にぼくの夕飯があるようには見えない。
「なにやってたの? 最近はいつもいつも部屋にこもってばっかでしょ」
「本を読んでるんだけど……」
「あんたまだ読書感想文も終わってないの?」
 呆れた、とでも言うようにお母さんの視線が冷たいものになる。
「そうじゃないよ。読書感想文はもうずっと前に終わらせたよ」
「じゃあ今は何やってるの」
「だから、本を読んでるんだって」
「あんたが自分から本なんて読むわけないでしょ。本当のことを言いなさい」
「本当だよ! 嘘だと思うなら涼子さんに聞いてみてよ! ぼくが本を読んでるって涼子さんは知ってるんだから! 昨日だって本を買いに本屋に行ったんだよ!」
 するとお母さんは首をかしげながら「涼子さんって、本屋でアルバイトしてる、島田涼子さんのこと?」と聞いてきた。ぼくはその問いにうなずいて返す。それ以外にどの涼子さんがいるというんだ。
「葉山さんが言ってた、あんたが涼子さんに良くしてもらってたっていうのは、本屋でのことだったのね……」
 お母さんはさっきまでの勢いをどこかに置いてきてしまったかのように急に静かに話し始めた。
「涼子さんに聞くことはできないのよ」
「どういうことだよ」
 お母さんは短く息を吐いた。
「あんたに言うのは酷かもしれないけど、涼子さんはもう……」
 ぼくはその言葉の続きを聞きたくはなかった。だから、そのまま部屋を出た。後ろの方からお母さんがぼくを呼ぶ声が聞こえたけど、無視してぼくは本屋へ向かった。

 全力で自転車を本屋へと向かわせる。
 焦って足を踏みはずしそうになる。
 息が苦しい。呼吸が上手くできない。
 目が眩む。前が良く見えない。
 それでもぼくは一点だけを見つめ続けた。

 本屋に着くと、ぼくは自転車を捨てて、扉を開けた。
 そこに、涼子さんが、いるはずだった。いてほしかった。
 しかし、そこには、誰もいなかった。
 客が来たのに気付いたのか、奥から、おじいさんがやってくる。
 おじいさんの「いらっしゃいませ」という声が、ぼくの中に空しく、響いた。

 本屋の外にでると、ぼくの自転車は道路の隅によせられていた。車にでも轢かれたのか、前輪が歪んでしまっている。ぼくはそれを引き起こし、ハンドルをしっかり握った。

 帰り道、前輪をがたんがたん言わせながら自転車を転がしていると、世間話をするおばさん達の会話が耳に入ってきた。普段ならそんな話を耳にすることもないのだけど、その会話は特別だった。おばさんたちの口から『涼子さん』という言葉が聞こえてきたのだ。
「涼子さんっていうと島田さんちの?」
「そうそう、東京の学生さんっていう割にはしっかりした子だな、って思ってたんだけどねぇ」
「あれでしょ? 大塚さんちの長男と付き合ってたとか」
「すごい仲が良いらしいじゃない」
「それがそうでもないみたいなのよ」
「どういうこと?」
「なんでも、昨日大喧嘩したみたいでね、そのまま別れちゃったって話よ」
「え? それで今日、本屋さんにいなかったの?」
「それだけじゃなくて東京の方に帰っちゃったんだって」
「本当に? やっぱり東京の学生は……」
 その後話は東京の学生がなんたらっていう方に変わっていってしまった。けどそんなことはどうでもいい。大塚とかいうやつと付き合っていた、別れた、東京に帰ってしまった。そんなこともどうでもいい。詳しく知る必要なんてない。簡単に言えば、涼子さんとはもう会えない、ってことなんだろう?
 家に着いたぼくは、本の七巻を本棚にしまった。
 そして、ぼくが八巻を買うことは、なかった。

***


 この後、私が本を嫌いにならなかったのは驚くべきことだと思う。なんだかんだ言っても、涼子さんとの出会いをきっかけに本を好きなってしまったのだろう。そのまま私は本を読み続け、今ではこのような書斎を本でいっぱいにしているのだから。
 私は再び自分の目の前に広がる部屋を眺めた。
 そこには大量の本が本棚に並べられている。その一角には、私が小学生の時に買ったあの本が七冊並べられていた。
 買ってからもう五十年ほど経つその本は、何度も読み返したせいで、表紙の文字はかすみ、どのページも黄ばんでしまっていた。それでもこの本は私にとって大切なもので、手に取れば今でも、あの小六の夏休み、というよりも涼子さんのことが鮮明に思い出される。
 その時、こんこん、と書斎の扉がノックされた。そして、扉が開けられる。
「借りていた本を返しに来ました」
そう言って私のほうに歩いてくるのは私の妻だった。彼女が手に持つ本は、とても古い本で、全体的に色が変わってしまっていた。
「久しぶりに読んだのだけど、すごく面白くてすぐに読み終えてしまいました」
 私は妻が持っていた本を受け取ると、本棚の方へと歩いて行く。
「話のテンポが良いからどんどん読めたのだろう」
 私は本棚の前で立ち止まり、その表紙を撫でる。
「やっぱりその本にはあなたも思い入れがあるのね」
その通りだ。本当にこの本にはいろいろな思い出が詰まっている。この本が無ければ、今の私はここに存在しないといっても過言ではないほどに。
「ああ、そうだよ」

「私たちが出会うきっかけになった本だからね」
 そう言って私は、七冊の本の隣に、八冊目の本を並べた。
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